皮膚の表面が弱酸性となっていて、この弱酸性のお陰で、体外からの有害菌や病原菌の侵入並びに定着を防いでいるのをご存知だろうか。
人間の体は全身がアルカリ性である。
海から生まれたそのまま、海の水のアルカリ性環境を引き継いで進化して来た。
であるにもかかわらず、なぜ皮膚の表面だけ弱酸性につくられているのだろうか。
これは長い間の疑問であり、謎であった。
そこで、この謎に挑戦し、これを解いた。
これが当研究所の第2の成果である。
ではどのようにしてpHを弱酸性に維持しているのだろうか。
皮膚常在細菌としてのアクネス菌が皮膚を食べ、増殖する。
これに伴い、オレイン酸などの酸性物質を産出する。
すると、皮膚表面のpH値が次第にpH4.5程度まで下がる。
このpH値によって、アクネス菌は増殖を停止する。
すると、もう一方の皮膚常在細菌エピデルミディス菌が増殖を始める。
これがアルカリ性物質を産出する。
これによって、先の酸性に傾いた皮膚表面のpH値を中和し、pH6.5前後に戻す。
ところが、皮膚表面は、pH6.5前後になると、このエピデルミディス菌が増殖を停止する。
代わって、アクネス菌が増殖を開始する。
このようにして、皮膚の深部を含め1?数千万個の菌が、シーソーゲームのようにしてpH値を弱酸性に維持している。
この結果、人間に対する有害菌や病原菌の攻撃を防いでいる。
付け加えるべきは、アクネス菌とエピデルミディス菌のこのような拮抗作用が崩れると、黄色ブドウ球菌(アトピー性疾患の病原菌)が皮膚を支配し、炎症や化膿、更には糜爛が現れ、やがて皮膚から体内へと侵入し、病気を引き起こす。
posted by skin-lab at 16:19|
浦壁伸周
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